合同会社等の法人を設立した場合は、様々な会社の関連の手続きや公共機関に対する手続きの際に、印鑑証明書の提示を求められます。印鑑証明書の取得には、印鑑カードの提示が必要とされるので、このページでは、その取得方法について簡単に説明します。
目次
印鑑カードとは
印鑑カードは、印鑑証明書の発行請求を行う際に必要となる登記所(法務局)が交付するカードで、本人の同一性を確認するために提示することが求められます。通常は、会社の登記が完了し、会社の実印の印鑑届の手続きと同時に印鑑カードの発行請求を行います。ただ、実際に印鑑証明書が必要になった時に、印鑑証明書の交付請求と同時に印鑑カードの交付請求を行っても構いません。
個人の印鑑カードは、地方公共団体の窓口で、また、合同会社等の法人の場合は、登記所(法務局)で発行申請を行います。印鑑カードの作成手数料は無料です。
尚、登記簿謄本、登記事項証明書及び印鑑証明書の請求は、所定の様式に必要事項を記載して返信用の封筒と郵便切手を納付すれば送付を請求することができますが、ただ、印鑑証明書の請求には、必ず印鑑カードの提出が求められるので注意が必要です。この点でも、印鑑カードの作成は必ず行う事が必要は業務と言えます。
印鑑カードの交付請求
印鑑カードの交付請求は、所定の申請書に必要事項を記載して、法務局(登記所)の窓口に持参して申請するか、又は、郵送によって提出して発行申請を行います。郵送による場合は、返信用の封筒と郵便切手を同封します。申請先は、会社の本店の所在地を管轄する登記所(法務局・地方法務局)です。
印鑑カード発行申請手続きに必要な書類等
印鑑カードの交付申請は、印鑑カード交付申請書という所定の様式に必要要事項を記載して提出して行います。様式は各法務局(登記所)の窓口に備えているほか、法務省のホームページから、PDF版とエクセル版の2つの様式をダウンロードすることができます。
印鑑カード交付申請書には、会社の実印を押印する必要がるので、登記所において申請書を記載提出する際は、会社の実印を持参することが必要です。
印鑑カード交付申請書の様式と記入の際の注意点
印鑑カードの交付申請書の様式は、法務省 「商業・法人登記簿謄本,登記事項証明書(代表者事項証明書を含む),印鑑証明書の交付等の申請」のページにアクセスして、
https://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-2.html
PDF版 https://www.moj.go.jp/content/000011595.pdf エクセル版 Excel
の様式をダウンロードすることができます。
以下これらの様式に従って記載方法について簡単に説明します。印鑑カード取得申請様式をダウンロードし、それを見ながら以下の説明に従って記載して下さい。
「商号・名称」の欄には、会社や法人の登記されている名前を記載します。「本店・主たる事務所」の欄は、登記されている所在地の住所を正確に記載します。「印鑑提出者」の項目のうち、「資格」の欄は、会社における役職名を○で囲み、その他の役職の場合は、その名称を記載します。氏名・生年月日」の欄は、上記印鑑提出者の氏名と生年月日です。「会社法人番号」の欄には、登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されている会社法人の登録番号を記載します。「登記所に提出した印鑑の押印欄」には、会社や法人を設立した際に届け出た「印鑑届出書」に押印した会社の実印を押します。尚、印鑑の押印は注意して鮮明に押してください。「申請人」の欄は、印鑑提出者本人、代理人の何れかに該当する□にレ点をつけてください。「住所、氏名」欄は、実際に印鑑カードを取得申請に訪れた方の住所氏名を記載します。「連絡先」の欄は、「自宅・勤務先」の該当する番号を○で囲み、印鑑の届出人の連絡先電話番号を記載します。原則として、印鑑カードの取得請求は、印鑑届出を提出した会社等の法人の代表者が申請することになっていますが、代表者以外の者が印鑑カード交付申請を代理して行う際には、代表者の委任状が必要です。「委任状」の欄には、代表者の住所氏名と代理人と定めた者の住所氏名を記載します。最後に、登記所に提出した印鑑を押印することが必要なので忘れずに押印して下さい。
本社・本店移転と印鑑カード
会社の業務に進行に伴って、会社の本社・本店を移転する場合が有ります。合同会社等の法人が本社・本店を移転した場合は、旧本店所在地の管轄法務局に対して移転の時から2週間以内に移転登記申請する必要がありますが、この際、旧本店から会社の印鑑カードを交付されている場合は、本社・本店の移転によって印鑑カードの使用が出来なくなるので、本社・本店移転登記申請の際に、当該印鑑カードを返却する必要が生じます(法律上の規定では、返還義務が生じますが、実際の運用では、返却しなくても催促なしでお咎めもないようですが)。また、法人が本社・本店をそれまで登記所(法務局)の管轄外に移転すると、会社・法人番号も変わり、移転先の本社・本店を管轄する登記所(法務局)において新規に印鑑カードの取得申請を行う必要があります。
印鑑カード廃止届
万一、印鑑カードを紛失した場合は、悪用される可能性があるので、印鑑カード廃止と届を速やかに行う必要があります。印鑑カード廃止届の様式も。登記所(法務局)の窓口の備えてあり、また、PDF版をダウンロードして印刷することもできます。
印鑑・印鑑カード廃止届書 https://www.moj.go.jp/content/000011578.pdf
印鑑カード廃止届書も交付申請と同様に、印鑑届を行った会社の代表者が廃止を届けることが原則ですが、これを代理人に依頼することも可能です。印鑑カード廃止届の記載方法は、印鑑カード交付申請書の記入方法をほぼ同じ記載内容なので、記入例は、印鑑カード交付申請の記載例をご覧ください。
印鑑(改印)届書
会社等の法人における印鑑に関する届出に、印鑑(改印)届書があります。
会社等の法人が印鑑(改印)した場合は、速やかに登記所(法務局)に対して同届出書を提出する必要があります。
印鑑(改印)届書の様式は、法務省の商業・法人登記簿謄本,登記事項証明書(代表者事項証明書を含む)印鑑証明書の交付等の申請ページにアクセスして、印鑑(改印)届書の項目からPDF版https://www.moj.go.jp/content/000011576.pdf及び、エクセル版 Excel
をダウンロードすることができます。
印鑑(改印)届書は、印鑑カード取得申請書の記載内容の多くが重複して、それほど難しくはありませんが、多少注意を要する点についてここで説明します。
新しく届出る会社の印鑑の大きさは、各辺の長さが1㎝を超え、3㎝以内の正方形の中に収まる印鑑である必要があります。印鑑(改印)は、前任者から印鑑カードを引き継ぐことが可能です。「印鑑カードを引き継ぐ・引き継がない」の該当する□にレ点を付して下さい。「市区町村長作成の印鑑証明書は,登記申請書に添付のものを援用する。」の項目では、本届出書の提出には、作成後3月以内の本人の印鑑証明書の添付が必要です。また、登記申請書に添付した印鑑証明書を援用して使用する場合は、同項目事項の頭にある□にレ点を付して下さい。
また、会社等の商号変更に伴って、新しい会社の印鑑を登録する(改印)の場合は、登録済みの印鑑の印影は変わりますが、印鑑カードは引き続き使用することになっています。新しいカードに変更することができません。
但し、会社が解散する場合はで、解散前の代表取締役と清算人が同一人物である時は、原則的には、印鑑カードは当然に引き継がれると言えそうですが、この場合は、引き継ぐかどうかの選択が可能で、引き継がない場合は、新しい印鑑カードの交付申請を行くことができます。