コロナ禍によってリモートワークやオンライン化が推奨されていますが、会社設立の申請をオンラインでできることを知っていますか?オンライン申請には訪庁の省略や自分の時間の都合に合わせられるなどのメリットがありますが、環境の用意などデメリットとなり得る側面もあります。
一方、会社設立時には様々な費用が発生しますが、その費用の1つである「登録免許税」が半額になる制度のことをご存知でしょうか。さらにその制度は、会社の設立に関して、また設立後の経営面や融資においても助けとなり得るものです。
そこで今回の記事では、オンライン申請の方法・手順、メリット・デメリット、会社設立時に登録免許税が半額になる制度とその制度の利用方法を解説するので、参考にしてみてください。
1 会社設立をオンライン申請で行う方法・手順
会社設立をオンライン申請で行うために必要となるものは、パソコン、インターネット環境、マイナンバーカード、そして電子証明書です。電子証明書とは、本人であることを電子署名することで証明するためのものです。
オンライン申請を行うためのパソコンには、推奨のまたは必須の動作環境が設けられています。例えばOSであればWindows8.1または10が指定されており、ディスプレイサイズは1024×768以上であることが必須とされています。
オンライン申請は「登記・供託オンライン申請システム」(以下、申請システム)によって行ないます。申請システムには、オンラインといえども稼働日時が定められています。稼働日時は土日祝日と12月29日から1月3日を除く平日の8時30分から21時までです。
なお、申請システムの受付処理日は受付時間によって翌日となる場合があります。例えば、申請システムへの会社設立の申請時間が17時15分以降となった場合、21時まで申請システムは稼働しているとはいえ、受付日は翌日となります。
この申請システムを使用してオンライン申請を行うためには、事前に法務省提供の登記等用ソフトウェアである「申請用総合ソフト」(以下、申請ソフト)か、あるいは民間開発の同内容のソフトウェアのいずれかによって、申請書(申請データ)の作成とその他添付書類の添付を行う必要があります。
申請ソフトを用いた申請書の作成手順を説明します。申請用総合ソフトをダウンロード&インストールしたら、ソフトを立ち上げて、「申請様式一覧選択」画面を開きます。会社設立処理を行うためには、同画面の「商業登記申請書」を、次に「登記申請書」を、次に「登記申請書(会社用):株式会社(以下略)」を選んで「選択」を押します。
そうすると「申請書作成・編集」画面が開くので、「登記の事由」欄に、一人株式会社の設立の場合は「平成○年○月○日 発起設立の手続終了」と入力します。一人合同会社の設立の場合は「設立の手続終了」と登記事由を入力します。
同画面の「登記すべき事項」欄も入力を要する項目です。「別紙表示」ボタンを押して、登記すべき事項の入力を行ないます。登記すべき事項には、株式会社の場合は「商号」(会社名)や「業種」、「発行可能株式総数」などがあります。
会社設立のような登記申請を行う際には、各種添付書類が必要となります。株式会社の登記に必要な添付書類は「定款(※)」「発起人の同意書」「設立時取締役選任及び本店所在地決議書」「就任承諾書(※)」「払込みを証する書面(※)」です。
合同会社の登記に必要となる添付書類は、株式会社の場合の上記(※)3種類と、「設立時代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面」です。これらの添付書類は申請ソフトを通して申請システムに送ることが可能です。
ただし、これらの添付書類には電子署名の付与が必須となります。電子署名は「公的個人認証サービス電子証明書」を使用することが可能で、次の公的個人認証サービスのポータルサイトに詳細情報が記載されています。
電子署名の付与は申請ソフトから行うことができます。添付書類に電子署名を付与したら、申請ソフトの「申請者作成・編集」画面の「添付書類」欄に、添付書面情報や通数の入力を行ないます。
次に、申請ソフトの「処理状況表示」画面にて、作成した申請書情報に添付書面情報を添付していきます。対象となる申請書情報を選択して、画面上部のタブ「ファイル添付」を押し、「添付ファイル一覧」画面を開きます。
株式会社の場合の定款には、公証人の認証を受けた「電子定款」を用意します。電子定款は、「添付ファイル一覧」画面の「公文書フォルダ追加」を押した先の画面で選択し、保存ボタンを押してソフトに保存します。
電子定款を除いた他の添付書類は、「添付ファイル一覧」画面の「ファイル追加」をクリックし、添付する書類を選択して保存ボタンを押します。
これらの申請書には申請人の電子署名を付与しなければいけません。電子署名の付与は、「処理状況表示」画面から対象となる申請書を選択して、画面上部のタブ「署名付与」を押して行ないます。このときの電子証明書は、ファイル形式でもICカードに格納されている形式でも構いません。
ここまで進んだら、これらの申請書情報と添付書類を、申請ソフトから申請システムへと送信します。作成した申請書情報を選択して画面上部のタブ「申請データ送信」をクリックし、該当する申請書の「送信対象」欄にチェックを入れて、「送信」ボタンを押します。
さて、これで申請データの送信処理は完了しました。申請データが申請システムに登録される(到達する)と、申請ソフトの「処理状況表示」画面が更新され、申請番号や到達日時などの情報が確認可能となります。
申請データは到達後には「受付」へと遷移します。受付されると、申請ソフトの「処理状況表示」画面にて受付番号や受付日時を確認できるようになります。
会社設立などの登記手続きには登録免許税が発生します。登録免許税は、歳入電子納付システムに納付情報が登録されることで、電子納付を行えるようになります。電子納付の納付期限は、申請書が「到達」した日の翌日から3日間です。
電子納付は、申請ソフトの「処理状況表示」画面の該当する申請情報行の「納付」ボタンから行ないます。「納付」ボタンを押すと「電子納付」画面が開きますので、該当する納付情報の「納付」ボタンを押します。
クリック後に電子納付専用のWebページが開きますので、画面の指示にしたがって電子納付を行います。
もし送信した申請データに不備があった場合には「補正」のお知らせが届きます。補正が必要な場合は、申請ソフトの「処理状況表示」画面にて「補正」ボタンを押せるようになりますので、「申請書作成・編集」画面にて補正内容を確認します。
表示された「申請書作成・編集」画面の「補正後申請内容」では送信した申請データが表示されますので、補正が必要な項目の修正を行ないます。このとき、補正が不必要な情報(正しい情報)は変更しません。
追加の添付書類が必要な場合は、先の申請書情報に添付書類を添付するときと同じ手順で、修正後の補正書に添付書類の追加を行ないます。補正書と添付書類の準備が完了したら、電子署名を付与して「申請データ送信」ボタンから補正書の送信を行ないます。
申請手続き完了後、すなわち会社設立登記が完了すると、申請ソフトの「処理状況表示」画面の「処理状況」欄が「手続終了」へと遷移します。
これで会社設立登記の完了ですが、会社設立登記完了後には「商業登記電子証明書」を取得することで、登記の変更や印鑑証明書のオンライン請求などを行うことができるようになります。
商業登記電子証明書は管轄の登記所での手続き、またはオンライン請求をする方法も可能です。
2 会社設立をオンライン申請で行うメリット
ここからは会社設立をオンライン申請で行う際のメリットとデメリットを見ていきます。
まずはメリットからです。オンライン申請の最大のメリットは、手続きをオンライン、すなわちインターネット上で完了できるということです。
インターネット上で完了できるということは、法務局に出向く手間を省略することができるということです。管轄の法務局が遠方である場合や、法務局の窓口が混んでいる場合などの無駄な時間や手間を削減することができます。
特に一人会社の場合は、役員の就任届けなども全て自分ひとりで完結することができますので、オンラインで行うメリットがより高まることになります。
またオンライン申請の場合は、書面では必要となる印鑑証明書や、会社設立時の取締役や監査役の本人確認証明書(住民票の写しなど)などの一部の書類を省略することができます。
オンライン申請には会社設立日を指定できるというメリットもあります。会社設立手続きは、郵送で申請書などを送付して行う方法もありますが、その場合は郵送の都合によって会社設立日が想定した日とならないことがあります。
オンライン申請の場合は、原則として申請した日(申請データを送信した日)が会社設立日となります。ただし先にも触れたように、申請システムへの送信時間が17時15分以降となった場合は、翌日の受付となることに注意をしてください。
オンライン申請には他にも、申請ソフトの「処理状況表示」画面にて申請状況を確認できるというメリットもあります。補正が必要となった場合にもオンラインで済ませることができますので、時に繋がりにくい法務局への問い合わせも少なく済ませることができます。
3 会社設立をオンライン申請で行うデメリット
一方、オンライン申請にはデメリットも存在します。
その1つは、公的機関のシステムやソフトにありがちな使い勝手の悪さです。公的機関のシステム・ソフトはユーザー目線で作られていないので、特に最近の民間のクラウドシステムを使い慣れていると、使いにくさを感じることがあるでしょう。
また、専門用語の存在や所定の手続きに沿って進めなければいけないことも、システム・ソフトの敷居を高くするデメリットの1つです。専門用語や所定の手続きは考えて分かる訳ではなく、知らなければ進めないものなので、つまずくことが多いかもしれません。
そして、申請システム・ソフトを使う上でのパソコンやインターネット環境の用意もデメリットとなる場合があります。MacやWindows8.1以前のOS、そして最新のWindows11は、記事執筆時点(2021年年12月20日)では動作確認されていません。
何より多くの人にとって最大のデメリットとなるのは電子証明書です。電子証明書の取得には手間と費用がかかり、またこの電子証明書は期限が定められています。一度取得すればその後も使用できるというものではありません。電子証明書を使用するためには、専用の機器も用意することになります。
電子証明書周りの環境整備費用と、司法書士などの専門家に会社設立を代行依頼した場合の費用とでは、一概にどちらが安いとはいえません。会社設立後の登記手続きや各種相談事項等を考えて、会社設立を専門家に依頼をして専門家との繋がりを持っておくことも1つの選択肢です。
しかし、会社設立時にオンライン申請を行う環境を整えておくことで、会社設立後の各種手続きのオンライン化の道筋もつけることができます。メリットとデメリットを踏まえて、自分に合った方法を選択することが大切です。
4 創業支援等事業の概要
会社設立時に登録免許税が半額になる制度とは「創業支援事業」(現在の「創業支援等事業」、後述)です。創業支援事業は、平成26年1月に施行された「産業競争力強化法」の中で規定されている、地域の振興事業政策の1つとなっています。
この創業支援事業では、市区町村が中心となり、創業を支援する民間の事業者と連携をして、会社を設立する人の支援を行います。
しかし、須らく全ての市区町村が創業支援事業を行う訳ではありません。市区町村が国に創業支援事業を行うことの申請をし、国が認定をすることで、その市区町村は創業支援事業を行えるようになります。
そして当制度は平成30年7月施行の「改正産業競争力強化法」にて、創業支援の目的をさらに拡充し、創業の普及や啓発を行う事業も含めた「創業支援等事業」と規定されました。。
当支援事業を行うことを認定された市区町村の数は、令和3年6月25日時点で1,296に上ります。当支援事業の形態は厳密に規定されている訳ではなく、市区町村ごとに独自色がありますが、基本的には、当支援事業のワンストップとなる窓口の設置と、その窓口を起点とした支援活動となります。
当支援事業によって行われる支援活動には、専門家による創業の相談や創業セミナーの実施、融資の相談等があります。これらの支援活動を行う民間の事業者のことを「特定創業支援事業者」(以下、「特定事業者」)と呼びます。特定事業者には例えば、地域の商工会議所や税理士法人、大学等があります。
これらの特定事業者は地域に根付いた活動を行っており、市区町村と特定事業者が連携することで地域の創業を支援し、地域の振興を図ることが当支援事業の主目的となります。
会社を設立する際に当支援事業を活用することで、上記の創業に関するセミナーの受講や専門家への相談等の優遇措置を得ることができます。登録免許税が半額になるというのはその優遇措置の中の1つです。
当支援事業を受けるためには、設立しようとしている会社住所の市区町村が当支援事業を行っている必要があります。そしてその特典を受けるためには、特定事業所によって行われるセミナー等の支援活動を「1ヶ月以上かつ4回以上継続的」に受ける必要があります。
当支援事業は市区町村ごとの事業となるため、支援内容は市区町村によって、また同じ市区町村でも時期や特定事業者によって多少の違いがあります。特定事業者の種類も市区町村ごとに違いますが、大枠としては次のように分類されます。
まずは当支援事業の起点となる、ワンストップの窓口機能を持つ特定事業者がその種類の1つです。この役割を受け持つ事業者は市区町村によって株式会社であったり公益・一般法人であったりします。
そして、地域の商工会議所、商工会、青年会議所も特定事業者の種類の1つです。これらの特定事業所が行う支援活動には、会社設立に関するセミナーの開催や、税務面や経理面、経営面、労務人事面等に関する相談といった、会社の設立と運営に関する全般があります。
地域の金融機関も特定事業者の主要事業者です。金融機関では、融資の利率面の優遇や融資枠の拡充、事業計画や経営の相談、金融機関網を活かした販路の拡大、そして新規事業展開等の支援を行います。
他にも市区町村の、あるいはその上位である都道府県の、創業や地域振興を後押しする公益・一般法人も特定事業者となることが多いです。これらの特定事業者では、中小企業診断士や税理士、コンサルタント等の専門家と連携を取り、資金調達や事業計画の相談という形で支援をします。
そして、市区町村によってはより独自色を打ち出している場合があります。例えば福岡市では「スタートアップカフェ」という名称のワンストップ窓口を設けて、創業コンシェルジュの常駐や人材のマッチング、セミナーの実施等を行っています。
他にも金沢市では、さらに創業者を後押しするために当支援事業とは別枠で、市が独自に助成制度を設けています。その助成制度には、商店街を活性化するための跡取りとなる若者の出店支援や、アドバイザーによる出店後の経営補助等があります。
以上のように、特定事業所から当支援事業の規定に基づいた支援を受けることで、市区町村から支援を受けたことの証明書を取得できます。登録免許税の軽減措置を受けるためには、この証明書を会社設立以前に、すなわち会社設立登記を申請する以前に取得する必要があります。
なお、ある市区町村から貰った証明書は、その市区町村以外の市区町村では無効となります。たとえその別の市区町村が当支援事業の認定市区町村であったとしても、証明書の市区町村が違えば登録免許税の軽減措置を受けることはできません。
登録免許税の軽減措置の詳細は次の通りです。まず株式会社の場合、資本金の0.7%にあたる登録免許税の金額(最低15万円)が0.35%(最低額15万円の場合は7.5万円)となります。
合同会社の場合も同様に、資本金の0.7%にあたる登録免許税の金額(最低6万円)が、0.35%(最低額6万円の場合は3万円)となります。合名・合資会社は、登録免許税6万円のところが3万円となります。
なお、当支援事業の優遇制度には、この登録免許税の軽減措置以外にも、融資面での優遇措置もあります。例えば、創業関連保証枠(融資限度額)の拡充や、自己資金要件の撤廃、申込期間の緩和等です。他にも、日本政策金融公庫による新規開業資金の貸付利率の引き下げ等もあります。
しかし、これらの優遇制度は全ての認定市区町村で同じ内容・要件で行っている訳ではありません。市区町村によって該当しないものもあれば、別途その市区町村の要件を設けているもの、また市区町村独自に行なっているものもあります。
例えば、東大阪市における前述の創業関連保証の申込期間の緩和は「大阪府開業サポート資金地域支援ネットワーク型」であることが要件です。また、同じく東大阪市では、独自に池田泉州銀行による「創業応援ローン」の金利の優遇措置を設けています。
以上のように会社設立時に大変助けとなる優遇措置を設けた当支援事業ですが、一方注意点もあります。例えば、当支援事業による融資の優遇利率の中には、実際には利子率が下がっているのではなく、差額の利子を市区町村が支払っている等のケースがあります。
このケースにおいて、会社が当支援事業を受けた市区町村外に移転をすることになった場合は、市区町村側が支払った差額の利子を通常返納しなければいけません。また、同じ市区町村内の移転であっても、優遇を受けた商店街から移転する際には、その時受けている優遇措置が取り消されることがあります。
そしてこれらの優遇制度を受ける上では、事業内容や創業者の経験といった点を厳しく審査されます。そのため、丁寧で説得力のある事業計画書を提出する必要があります。
何より、当支援事業の証明書を取得するには、セミナーの受講や各種書類の準備、証明書の発行申請等によって相応の時間がかかります。そのため、当支援事業を適用して会社を設立するのと、適用せずに会社を設立するのとでは、適用して会社を設立する方が遥かに時間を要します。
5 創業等支援事業の利用方法
当支援事業の優遇制度を適用するためには、設立しようとしている会社住所の市区町村が当支援事業を行っていることが第一条件です。当支援事業の認定を受けている市区町村は、中小企業庁のホームページから確認することができます。
会社を設立する市区町村が当支援事業を行っていることを確認したら、当支援事業の問い合わせと申込みを行いましょう。
さて、会社を設立する際には会社の種類を選択することになります。会社の種類とは先にも少し触れましたが、令和3年現在には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があります。
このうち、現在では合名会社と合資会社を選択する理由はほとんどありませんので、実質株式会社か合同会社の2つのうちどちらかを選択することになります。株式会社はメジャー感を特徴かつメリットとしており、合同会社は株式会社よりも会社設立者の裁量の高い小回りの効く会社です。
もし、これら会社の種類のように会社設立で迷うことがあれば、当支援事業を受ける際の相談事項の一つとすると良いでしょう。当支援事業を受ける過程では、専門家による各種会社設立時のアドバイスを得られる機会があります。
当支援事業に申し込みをしたら、市区町村と連携している特定事業者からの支援活動を原則として4回以上、そして1ヶ月以上に渡って受けます。
この間にも会社設立の準備を進めておくと良いでしょう。会社設立のための登記の申請には、定款の作成や資本金の用意と払い込み、また払込証明書や役員の就任承諾書、登記申請書等の用意といった様々な作業が必要です。
また、会社設立時に必須となる実印や、あると便利で重宝する認印やゴム印(住所や社長名等を押印するためのもの)等の用意も進めておくとスムーズです。当支援事業の証明書を取得するには時間を要するので、準備できるものから作業を進めておきましょう。
さて、支援活動を受けた後は、受けたことを証明するための証明書を取得します。証明書は、市区町村用意の証明申請書に記入をして申請をすることで所得します。当申請書は、通常市区町村のホームページからダウンロードをすることができます。
証明書を取得することで、登録免許税の軽減や創業関連保証の各種優遇措置を受けられることになります。創業関連保証の優遇措置については詳しくは、当支援事業の窓口か、特定事業者に確認をしてください。証明書を取得後は本格的に会社設立登記の申請作業に移ることになります。
当支援事業を受けてから会社を設立するまでの概算期間を見てみましょう。まず、当支援事業への申し込みからセミナー受講等の支援活動を受け終わるまでには、1ヶ月以上の期間を要します。
その後、支援活動を受けたことの証明申請書を申請し、証明書が交付されるまでには約2週間が必要です。当支援事業と会社設立登記の申請は別ものなので、登記申請のための書類用意等の各種作業期間も必要です。
会社設立登記の申請の準備と申請の期間は、もし独力で進める場合は専門用語や予備知識が必要となりその理解の時間も必要となるため、1週間から1ヶ月程度を見ておいた方が良いでしょう。
登記の申請を行ってから登記が完了するまでに必要な期間は約1週間です。この間、申請書類に不備があった場合は書類の差し戻しや再提出等となり、その分の時間も発生することになります。
以上をまとめると、当支援事業の申し込みから証明書の取得まで約2ヶ月、そして会社設立登記の準備から申請、そして完了するまでに1週間~1ヶ月が必要です。合計すると3~4ヶ月はかかると見ておいた方が良いでしょう。
当支援事業は会社を設立する人にとって有用な制度ですが、当支援事業の利用方法に加えて会社設立登記作業も必要となることが相まって、敷居の低いものではありません。税理士等士業の中には、当支援事業と会社設立登記をワンストップで請け負う専門家もいます。
専門家に依頼をする場合は費用が発生しますが、当支援事業と会社設立を一纏めにしてアドバイスと指針を受けられますので、資金に余裕がある場合は検討の価値ある選択肢となるでしょう。