日本テニス界のみならずアジア全体にかつてないほどの功績を残している錦織圭選手。一時は日本初となる世界ランク4位に位置するなど、世界でも注目される選手に成長しました。
米誌フォーブスは8月、「世界で最も稼ぐテニス選手」トップ10選手を発表しました。1位はロジャー・フェデラー(スペイン)選手で、年収総額は6400万ドル(約70.7億円)となります。
次いで、セルビア出身のノバク・ジョコビッチ選手で、3760万ドル(約41.5億円)、3位に錦織圭選手(27歳)が3390万ドル(約37.4億円)でランクインしました。
現在世界ランキング9位(2017年8月時点)の錦織圭選手は、右手首の怪我のため、今季残り試合全てを欠場しており、治療に専念している状況です。
本記事ではフォーブスが発表した「The World’s Highest-Paid Tennis Players Of 2017(2017年世界で最も稼ぐテニス選手)」をもとに、ランキングの詳細を見ていきます。
1 世界で一番稼いだテニス選手はだれだ
フォーブスは、2016年6月から今年6月までの収入をもとに、世界のテニス選手をランキング化しました。
今年6月までの1年間で最も稼いだテニス選手は、スイス出身のロジャー・フェデラー選手で、総収入は6400万ドル(約70.7億円)となりました。
このほか上位10選手は、2位ノバク・ジョコビッチ選手で3760万ドル(約41.5億円)、3位錦織圭選手で3390万ドル(約37.4億円)、4位ラファエル・ナダル選手で3150万ドル(34.8億円)、5位アンディ・マレー選手で2880万ドル(約31.8億円)、6位セレーナ・ウィリアムズで2700万ドル(約29.8億円)、7位スタン・ワウリンカ選手で1920万ドル(約21.2億円)、8位アンゲリク・ケルバー選手で1260万ドル(約13.9億円)、9位ミロシュ・ラオニッチ選手で1180万ドル(約13.0億円)、10位ビーナス・ウィリアムズ選手で、1050万ドル(約11.6億円)となります。
・ 最も稼いだテニス選手ランキング(上位10選手)
順位 | 選手名 | 出身国・地域 | 総収入 |
---|---|---|---|
1 | ロジャー・フェデラー | スイス | 6400万ドル |
2 | ノバク・ジョコビッチ | セルビア | 3760万ドル |
3 | 錦織圭 | 日本 | 3390万ドル |
4 | ラファエル・ナダル | スペイン | 3150万ドル |
5 | アンディ・マレー | イギリス | 2880万ドル |
6 | セレーナ・ウィリアムズ | アメリカ | 2700万ドル |
7 | スタン・ワウリンカ | スイス | 1920万ドル |
8 | アンゲリク・ケルバー | ドイツ | 1260万ドル |
9 | ミロシュ・ラオニッチ | モンテネグロ | 1180万ドル |
10 | ビーナス・ウィリアムズ | アメリカ | 1050万ドル |
(フォーブス「The World’s Highest-Paid Tennis Players Of 2017」より作成)
1-1 12年連続一位のロジャー・フェデラー
フェデラー選手は昨年2月に左膝半月板損傷のケガを負い、一時は引退説も噂されましたが、昨年7月のウィンブルドンではベスト4まで勝ち上がりました。しかし、準決勝の試合で再び膝を痛め、2016年後半は治療に専念せざるを得ませんでした。
今年に入ってからは全豪オープンで7年ぶり5度目となる優勝を果たし、ウィンブルドンでは歴代最多の8勝目を挙げ、グランドスラム優勝の合計を19に伸ばしました。
フェデラー選手はこれまでのキャリアで1億800万ドル(約118億円)の賞金を獲得したと言われています。
(出展:MarketWatch)
1-2 錦織圭選手、堂々の世界3位
総収入3390万ドルで3位に入ったのは、27歳の錦織圭選手です。
ビッグ4と呼ばれるフェデラー、ラファエル・バダル、ジョコビッチ、マレーが君臨するテニス界。2014年の全米オープンテニスで、その中に割って入ったのが錦織圭選手(当時24歳)でした。決勝まで進んだ錦織選手は、同じ初決勝進出者のマリン・チリッチと対戦するも、6-3、6-3、6-3のストレート負けを喫しました。しかし、同大会をきっかけに日本のみならず、世界でも知名度を挙げ、昨年のリオ五輪では日本男子として初のメダル獲得、アジア人選手として初めて世界ランク4位になるなど、今日の活躍に至ります。
フォーブスによると、錦織選手は獲得賞金額は高くないものの、ナイキ、ユニクロ、ウィルソンなど16企業とのスポンサー契約を結んでいるとされます。
(出展:Forbes)
1-3 女性トップのセレーナ・ウィリアムズ選手
3位にランクインしたのはアメリカ出身のセレーナ・ウィリアムズ選手です。世界ランク位1位、生涯獲得賞金額は8400万ドル以上(約92億円)とも言われ、女子テニス界のみならず女子プロスポーツをリードする女性です。セレーナ選手は現在12社以上とスポンサー契約を結んでいるとされます。
これまで女子テニスの象徴的プレイヤーだった、ロシアのマリア・シャラポワ選手は上位10選手に入ることはできませんでした。昨年1月の全豪オープンにてドーピング違反が発覚したため、15ヶ月間の出場停止処分となり、ナイキ、ポルシェ、エヴィアンなど大手スポンサーとの契約も解除、大幅な収入減となっていました。
(出展:The New York Times)
2 昨年の獲得賞金ランキング
次に獲得賞金額別に上位10選手を見ていきます。
今年6月までの1年間で最も賞金を多く獲得したテニス選手は、アンディ・マレー選手で、獲得賞金は1480万ドル(約16億円)となりました。
次いで、2位ノバク・ジョコビッチ選手で960万ドル(約10.6億円億円)、3位セレーナ・ウィリアムズ選手で800万ドル(約8.8億円)、4位アンゲリク・ケルバー選手で760万ドル(約8.4億円)、5位スタン・ワウリンカ選手で720万ドル(約7.9億円)、6位ロジャー・フェデラーで600万ドル(約6.6億円)、7位ラファエル・ナダル選手で550万ドル(約6.0億円)、8位ミロシュ・ラオニッチで480万ドル(約5.3億円)、9位錦織圭選手で390万ドル(約4.2億円)、10位ビーナス・ウィリアムズ選手で、350万ドル(約3.9億円)となります。
・ 獲得賞金ランキング
順位 | 選手名 | 出身国・地域 | 総収入 |
---|---|---|---|
1 | アンディ・マレー | イギリス | 1480万ドル |
2 | ノバク・ジョコビッチ | セルビア | 960万ドル |
3 | セレーナ・ウィリアムズ | アメリカ | 800万ドル |
4 | アンゲリク・ケルバー | ドイツ | 760万ドル |
5 | スタン・ワウリンカ | スイス | 720万ドル |
6 | ロジャー・フェデラー | スイス | 600万ドル |
7 | ラファエル・ナダル | スペイン | 550万ドル |
8 | ミロシュ・ラオニッチ | モンテネグロ | 480万ドル |
9 | 錦織圭 | 日本 | 390万ドル |
10 | ビーナス・ウィリアムズ | アメリカ | 350万ドル |
(フォーブス「The World’s Highest-Paid Tennis Players Of 2017」より作成)
2-1 獲得賞金ではマレーがトップ
生涯獲得賞金ランキングでも歴代4位のマレー選手はスコットランド出身の29歳。2012年の全米オープンでグランドスラム初優勝を飾り、13年にはウィンブルドンを制しました。また、ロンドン五輪とリオ五輪でも史上初となる2連覇を達成し、世界ランク1位も獲得しました
(出展:BBC Sport)
2-2 不調のジョコビッチ
右肘の故障により今年7月から長期休養に入っているノバク・ジョコビッチ選手は960万ドルで2位につけました。これまでに12個のグランドスラムを達成し、長らく世界ランク1位を維持していましたが、今シーズンは怪我に悩まされ、大会の優勝から遠ざかっています。
同選手は、アパレルメーカーであるラコステやアディダス、セイコー、プジョーなど多くの企業とスポンサー契約を結んでいます。
(出展:Pakistan Point)