印鑑証明書は、印鑑カードと一体化して、法人や個人を確定する重要な証明書類であり、企業活動の様々な場面で必要になる書類です。そこで、このページでは、主に法人の印鑑証明書の取得方法について説明します。
目次
- 個人の印鑑証明書とは
- 法人の場合の印鑑証明書とは
- 印鑑証明書の機能と取得の目的
- 法人の印鑑証明書の取得申請の位置付け
- 印鑑証明書の交付申請の申請者と申請先
- 法人の印鑑証明を取得する手続き
- 印鑑証明書交付申請書の様式と記入方法
- オンラインによる印鑑証明書の取得
個人の印鑑証明書とは
印鑑証明書には、個人の印鑑証明書と法人の印鑑証明書があり、このうち個人の印鑑証明書は、住居地の市町村役場に登録している個人の印鑑(実印)であることを証明する書類です。印鑑証明書は、実印と印鑑証明書が一体となって、本人であることを確認する重要な手段として機能しています。印鑑証明書は、不動産の登記や自動車の登録や名義変更(譲渡等)、確定判決と同様の効力を持つ公正証書の作成時等の、一般社会における非常に重要な場面で必ず必要になる書類と言えます。
尚、近年の電子政府化に伴い、インターネットを介して行う実印と印鑑証明書に相当するものとして、電子署名と電子証明書のシステムが導入されています。
法人の場合の印鑑証明書とは
法人の印鑑証明書とは、合同会社等の法人の代表者が、登記事務を司る法務局(登記所に登録している会社の実印・代表者の印鑑の印鑑証明書のことです。尚、法人の印鑑証明自体に有効期限はありませんが、提出先によっては、3か月以内または6か月以内に取得した印鑑証明書の添付が求められる場合が多いので、取得日には注意して下さい。
設立登記が完了したら、法人設立届出手続などの諸手続に備え、法務局から登記事項証明書(登記簿謄本)と印鑑カード・印鑑証明書を取得しておきます。
とりあえずは、登記事項証明書として履歴事項全部証明書を3通(非営利型の場合は2通)と印鑑カードを取得しておかれると良いでしょう。
印鑑証明書の機能と取得の目的
一般の社会においても、本人の実印とその印鑑証明書は、それらが1つのセットになって本人確認の有力な手段となります。つまり、本人確認の実効性を確実に高めるに実印の提示が要求される際には、同時に印鑑証明書が必ず必要になります。言い換えれば、実印と印鑑証明は1つ1つでは証明の確実性が担保されず、実印と印鑑証明書の2つが相俟って、本人証明が確実に認知されると言えるのです。この結果、法人の印鑑証明は、会社の実印(代表社印)と一体化して、各金融機関に対する手続きやや官公庁への各種手続き等の際に、法人の確認手段として必要不可欠な証明書として機能しています。
法人の印鑑証明書の取得申請の位置付け
合同会社等の法人の印鑑証明書の交付申請は、法務省のホームページ上では、商業登記・法人登記、登記事項証明書(代表者事項証明書を含む)、印鑑証明書の交付申請の項目の中の一つとして位置付けられています。この申請事項は、法務局(登記所)に対して、登記事項証明書(従来のオンライン庁ではないブック庁では登記簿謄本・登記簿抄本と呼んでいた証明書)や印鑑証明書の交付を申請するための手続きの総称のことです。
印鑑証明書の交付申請の申請者と申請先
法人の印鑑証明書は、法人の代表者(代表社員や代表取締役)本人またはその代理人のみ備その申請資格が与えられています。これ以外の者は交付申請することができないので注意して下さい。因みに登記事項証明書の交付申請は、申請書に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙を申請書に貼って提出すれば、だれでも入手することができます。
法人の印鑑証明書の申請先は、一般的に登記所と呼ばれることも多い、登記事務を行う各法務局や地方法務局で、これらの支局や出張所でも法人の印鑑証明書の取得申請は可能です。
法人の印鑑証明を取得する手続き
会社を設立した場合は、各官公庁への様々な届出や銀行等の金融機関の口座開設、また法務局に対する登記申請手続きといった様々な場面で会社の実印(代表者印)と印鑑証明書の取得が必要になります。
法人の印鑑証明に取得は、法務局(登記所)で印鑑証明書の取得申請を行い取得します。
印鑑証明書交付申請書の様式と記入方法
法人の印鑑証明を取得するためには、法務局に赴いて、そこに用意されている「印鑑証明書交付申請書」に必要事項を記入して窓口で申請すれば取得することができます。また、申請書の様式は、法務省のホームページからPDF版とエクセル番の2つの様式をダウンロードできます。
申請書様式 PDF https://www.moj.go.jp/content/000072267.pdf
エクセル様式も「法務省の商業・法人登記簿謄本,登記事項証明書(代表者事項証明書を含む),印鑑証明書の交付等の申請」ページからダウンロードできます。
まず本申請書をダウンロードして下さい。その申請書に従って、記載事項の簡単な説明を行います。
宛先は、当該会社の本店の所在地を管轄する法務局(登記所)です。「商号・名称」の欄には、登記している会社の名前(商号)を記載します。「本店・主たる事務」の欄には、登記上の会社の住所を記載します。「印鑑提出」の欄は、合同会社の場合は、代表社員を○で囲み、代表社員の氏名、生年月日、を記載します。「印鑑カード番号」の欄には、印鑑カードに刻印されている番号を記載します。印鑑証明書の取得の際には、必ず印鑑カードの提出が求められるので忘れないようにして下さい。「窓口に来られた人(申請人)」の欄では、印鑑提出者本人又は代理人の該当する□にレ点をつけます。印鑑証明書の取得では、代理人が取得する際でも、本人に委任状は必要なく、代理人の氏名住所の記載で足ります。
印鑑証明書の取得には、1通当たり450円の手数料が必要です。手数料は収入印紙を申請用紙に貼って納付します。尚、収入印紙は法務局でも入手できます。
オンラインによる印鑑証明書の取得
会社や法人の印鑑証明書の取得は、オンラインによる印鑑証明書の取得も可能ですが、その作業は非常に複雑です。詳細は、法務省のオンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji71.html にアクセスして第5の「オンラインによる印鑑証明書の請求」 オンラインによる印鑑証明書の請求 に入る必要がありますが、ここでは、その概要を説明します。
法人の印鑑証明書の取得では、WEBブラウザを利用する「かんたん証明書請求」によることできず、「申請用総合ソフト」をダウンロードして申請する必要があります。
「申請用総合ソフト」から印鑑証明書の送付請求をする場合は,まず、「登記・供託オンライン申請システム」のホームページにアクセスし、ユーザー登録を行い、そのページにある「申請用総合ソフト」をダウンロードして送付請求書を作成します。
申請用総合ソフト =登記ねっと ☆申請用総合ソフトによる申請・請求方法
☆申請者操作手引書(商業・法人登記申請 申請用総合ソフト編【簡易版】)
ただ、印鑑証明書の交付を請求する場合は、請求書情報及び添付書面情報に電子署名を付す必要があるため、あらかじめ会社代表者の電子証明書を取得しておく必要があります。
また、印鑑提出者本人による請求又は代理人による請求のいずれの場合でも、印鑑提出者本人の電子証明書(例外事例に当たる場合を除き、原則として、電子認証登記所が発行する電子証明書である必要があります。)が必要となることに留意しなければなりません。
尚、なお,電子証明書はICカードに格納されて発行されることも多く、格納された電子証明書を利用するには、ICカードリーダが必要になります。金額は、3000円位です。
これらの準備が完了すれば、「登記・供託オンライン申請システム」にアクセスし,請求書の情報を送付し請求完了になります。